8月の関西オフライン読書会は、東京・名古屋に続き、こちらも5年ぶりに開催の浴衣読書会でした。
開催場所は京都梅小路公園「緑の館」。課題本は幸田文『きもの』です。
まずは運営サポーターがお出迎え。二人が持っている猫町倶楽部オリジナル団扇は参加者全員にプレゼントされました!
普段の読書会とは異なり、浴衣読書会は全員浴衣での参加、会場も畳敷きの和室です。運営サポーターも趣向を凝らし、特注の和菓子をオーダーしました。サポーターのジュリアさんが、課題本である「きもの」を読んで、以下のようなイメージを着想。
"るつ子がはじめて自分一人で誰のお世話にもならずに選んだ着物"
"露草色をベースに菫色の縞"
"猩々緋(しょうじょうひ)の帯"
デザインとともに和菓子店「青洋」さんへ依頼。
見事、オリジナル和菓子が完成しました!当日は参加者みなさんで味わっていただくことができました。
いよいよ読書会が開始。まずは代表タツヤさんの挨拶です。
浴衣読書会にちなんだ課題本「きもの」。明治の終わりから大正期にかけての東京を舞台に、主人公るつ子の成長、三姉妹の縁談や関東大震災を描く作品。重厚な物語だけではなく、「着る」ことの意味や当時の世相など、語りの尽きない作品でした。
「和装・和服に関する言葉がたくさん出てきて、調べながら読んだ」
「最近、着物に沼ってるんで、読んでてめっちゃ楽しかった」
「当時の家長制度や、その中での女性の存在・生き方に驚いた」
「著者がるつ子に仮託した思い、おばあさんの存在など、改めて読み返したい」
「タイトルを"きもの"としたところが、秀逸」
「ラストが少し残念。解説にもあったように未完だったり、本当は出版したくなかったんじゃないか」
普段あまり着ることのない和服・浴衣に身を包み、和服・浴衣が日常だった頃に思いを馳せ、小説を読む。そんな同じ体験をした人たちと語り合う。まさに浴衣読書会の醍醐味ではないでしょうか。
全員が浴衣を着てくるなかで、ベストドレッサーを受賞された方はすごいです。
浴衣の柄・模様、浴衣にまつわるヒストリー、当時の和装に関する小物、浴衣へのこだわりなど、お話を聞いてまた一段と浴衣への関心が深まりました。
ベストドレッサーの方々には、賞品として「きもの」作中ににも登場したお菓子「浜土産(はまづと)」がプレゼントされました。
読書会最後はみんなで記念撮影で終了。
18時からは1Fのレストランに場を移し懇親会です。まずは乾杯!
地元京野菜を使ったお料理が楽しめる「京野菜レストラン梅小路公園」。
課題本に関するお話の続きや、お仕事や近況、互いの浴衣についてなど、話題にはことかきません。参加回数が浅い方でも大丈夫。みんなうれしくて話したくてほっておきませんのでw
1時間を経過したあたりで「テーマ別席替え」です。いろいろなトークテーマが設けられたテーブルに、思い思い散らばっていきます。コアな話題からフリートークまで、お好きなテーブルに移動可能です。
夏真っ盛り、酷暑の中の開催となりましたが、みなさん2024年夏のいい思い出になったのではないでしょうか。
次回、「関西オフライン読書会」開催は9月14日(土)16:30~
https://nekomachi-club.com/events/b9940fa06d76
9月の課題作品は選択制です。どちらか1作品を選んでご参加ください。
①谷崎潤一郎『春琴抄』
②ジャック・アタリ『世界の取扱説明書 理解する 予測する 行動する 保護する』
サポーター一同、皆様のご参加をお待ちしております。