興奮のあまりブログまで書いた、ギリシア神話の第一回読書会から早4ヶ月。先日図らずも全分科会に一通り参加し終えたので、記念にこれまでの猫町ライフを振り返ってみます。

初読書会を終え、次はどの読書会に参加しようかな~?とイベント一覧を確認していた入会当初、興味を引かれるものは、正直なところありませんでした。1月は毎週の長編読書会だけに集中し、2月に期待しようと思っていた矢先、駒井組の選書理由が偶然目に止まりました。長編好きとしてはスルーしていた作品でしたが、駒井さんの作品に対する溢れる想いに俄然興味が湧いてきました。ですがちょうど折も折、平野部の我が家周辺でも積雪が1mに迫る大雪で交通が麻痺し、課題本が入手困難な状況に陥りました。そこで、遅延必至のネット注文の到着を待つ間、せっかくなのでKindleで原書のサンプルをダウンロードして読み始めました。読書会当日、翻訳に関する疑問を思い切って質問したところ、駒井さんに「いい質問ですね」と言っていただけて、うれしかったのを覚えています。以来、駒井組には毎月参加するようになりました。また、課題本が翻訳本の場合は、Kindleでサンプルダウンロード可能な分だけ原文(英・仏語限定)に触れ、翻訳の妙を味わったり、原文ならではの表現に唸る楽しみも得ています。特に『クララとお日さま』は、あまりにも心を持っていかれたので、原書を図書館で借りてきましたが、原文のニュアンスで印象がまた変わりました。課題本の翻訳者を問わない読書会では、翻訳による表現の違いを共有しながら、その温度差に盛り上がることができるのも、読書会の面白さだと感じています。これは古典の現代語訳にも通じているので、古典が課題本の読書会には、積極的に参加するようにしています。原文を音読してみると、また古典の魅力が深まる気がしています。


駒井組の読書会が成功体験となり、書名には惹かれなかったけれどネットレビューを見て参加する気になったアウトプット勉強会や藝術部、タイトルしか知らなかった名作を鑑賞する契機となったシネマテーブルクラシック、迷っていたNETFLIX登録を後押ししてくれたシネマテーブル、課題本繋がりで猫町オンラインオペラ、読書会でご一緒した方の熱弁に煽られて指揮者本読書会、ゲストイベントで参加する気になった猫町UG、そして今月ようやく、フィロソフィアと二村組にも初参加しました。オペラ初参加時は、まだ苦手意識が残りましたが、もう一回だけと参加した2回目は、ズボン役が美形だったこともあってか、面白い!となったので、読書会の最後に毎回繰り返される、初めての人は続けて3回参加の推奨に、身をもって納得しました。二村組では、二村さんと同じグループでお話を聞いていたら、現実世界の「恋愛」にはあまり興味がなかったのに、来月も参加する気になってしまいました。ただ、シネマテーブルの映画は、県内では上映されなかったり、封切りが間に合わなかったり、と田舎の悲哀も噛み締めています。休日の早起きと短編という、苦手要素しかないGWの短編読書会にも、頑張って1日目に参加したところ、短編こそ読書会の醍醐味では!?というほど興味深い意見が飛び交ったので、田植えで後半参加できなかったのが残念でした。(余談ですが、ゴールデンウィークは我が家では田植えウィークなので、子供の頃からステイファーム状態でした😔)また読書会ではありませんが、毎月末スイーツと共にまったりお喋りする、猫町ラウンジのMadなお茶会も楽しみにしています。


私なりのこだわりとして、Zoomのバーチャル背景は、Googleフォトからの課題本にちなんだ画像しばり、というものを初読書会から自分に勝手に課しています。毎回長時間悩むので、ギリシア神話の読書会でドレスコードが導入された時は助かりました。基本的に、古代ギリシャっぽいエジプト旅行時の遺跡やナイル川クルーズ時の写真を使いましたが、そのままで十分牛体型じゃね?と言う甥っ子に反論できず白いセーターを着たり、カブトムシを2時間かけて折って、庭の松の木の幹に引っ掛けて写真を撮ったり、毎週様々工夫して充実したひとときを過ごせました。ドレスコード2回目以降は、最終回および番外編のアンティゴネーの回まで、ずっとベストドレッサーに選んでいただけたのもうれしかったです。選んでいただいた方々には大感謝です。そういえば猫町ラウンジの某婚活イベントで、ベストドレッサーになるのは注目型の特徴と指摘された時には、ぐうの音も出ませんでした。ちなみにギリシア神話読書会の最終回は、人間ドックで病院にお泊まり中だったために、「ネクタル(ギリシア神話の神々の飲み物)」という蜂蜜酒の空瓶に水を入れたものを持ち込んで、完走祝賀会で乾杯しました。最近ラウンジメンバーにもいましたが、病院のベッドの上からでも参加できるところが、オンライン読書会のいいところですね!

思い返せば、初めて進行役のファシリテーターを務めたのも、この変なこだわりがあだになったためでした。ノルウェーの教会の椿っぽい花のステンドグラスを背景に、赤いセーターを着て初参加したオペラの時に、ファシリの条件は椿を背景にしているか、赤い服の人、と言われた瞬間、やられた!と焦りました。ですが、みなさんの協力を得て終わってみると、初のファシリ体験が何の知識もないオペラだったことは、むしろ良かったと思えました。その後、自称親不孝者くらべに負けて、2度目のファシリを体験してからは、ファシリを担当させていただく機会も増えてきました。毎回反省しきりですが、他の方も参考にしながら、自分なりのファシリテーションの形を模索していけたらなと思っています。

実は、2月から3月にかけては、結構辛い時期を過ごしていました。仕事の納期が迫る中、家族が2人も相次いで入院し、入院準備が行き届いていないと妹に叱られ、2人暮らしとなった父からは食事がクドいと文句を言われ、コロナ禍で面会全面禁止だったため、手術で入院中の母には父に対する愚痴も吐き出せず、深夜に甥っ子に長文LINEすれば「暇かよ!働け!」とあしらわれ、読書会だけが唯一の癒しでした。残業後父の食事準備で読書会に遅れた文句を言った時は、「お父さんと読書会、どっちが大事なの!?」と詰め寄られ、「(今の精神状態では)読書会!」と即答して、妹の怒りの炎に油を注いだこともありました。読書会があって本当に良かったと思えた日々でした。その後ジェーン・スーさんの課題本を読んで、共感しかなかったのは言うまでもありません。

元々プライベートの充実のために参加した読書会でしたが、プロジェクトチームの年度末の反省会で、他の人の話がいつもより深く入ってきて、手を挙げて意見を言いたくなっている自分を発見して驚きました。読書会を通して、聞く力とか、共感力みたいなものが高まった気がします。先月からは、気づいてみれば月の半分以上、イベント含め猫町に参加している状態です。年初に自己紹介ブログを書いていた頃の自分が知ったら、理解不能な参加率ですが、コロナ禍で逼塞しがちな日々を、猫町で充実させていきたいと思います。

※メイン画像は、Zoomで使用した背景の一部(15ヶ国&波照間島&古き良き時代)です。