ふりかえり読書会では、参加した読書会作品の文章を一人一つ持ち寄って紹介し、これをネタにお話をしていただいています。
7月1日に開催されたふりかえり読書会で発表された皆さんの文章はこちらでした。

少なくとも読書のために、現実世界から目をそらすことがあってはならない。(ショーペンハウアー『読書について』「自分の頭で考える」)

「何かを選択する代わりに、問いを発することに責任を持ったのです。」(ジョン・ケージ『作曲家の告白』

(その人を救え)誰かと遊べ
(彼の死はお前の死だ)誰かの生はお前の生かも
(私財を惜しまず彼に添え)話ぐらいは付き合えよ
(彼のみがお前の苦しみを癒す)苦しみは誰かに笑ってもらいな
・・・
「俺がすべてを笑ってやる」(新井英樹『ひとのこ』

良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ。なにしろ人生は短く、時間とエネルギーには限りがあるのだから。(ショーペンハウアー『読書について』読書について)

誰かの小さすぎる物語がまったく異なる境遇にある別の誰かの小さすぎる物語を喚起する。おはなしには別のおはなしを呼び覚ます深い力がある。(東畑開人『心はどこへ消えた?』

人は心のなかに、いまだ存在していないいくつかの場をもっており、そこに苦しみが入ることで、その場は存在するようになる(グレアム・グリーン『情事の終わり』

静寂は、親切な隣人が世の意見を代表して警告してくれる声が聴こえない完全な静寂だ。
警察官の保護や隣人の助けといったものがあるかないかでは大きな違いが出てくる。(ジョゼフ=コンラッド『闇の奥』

「まあ、考えてもみたまえ。よろこぶことも失望することもない。だれかを好きになることも、おこったりゆるしたりすることもない。眠ることも、寒さを感じることも、間違いをおかすこともない。腹いたをおこすこともないし、なおってうれしいこともない。誕生日を祝うこともなければ、ビールを飲みすぎて公開することもないなんて。やれやれ、なんておそろしいころだろう!」(トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の仲間たち』ニョロニョロのひみつ)

「期待だの、希望だの、なぞるようなお決まりの欲ばかりで、もっとでたらめに生きられないもんかね?」(新井英樹『ひとのこ』(上))

なぜなら、一人の生命よりも長い歳月を要する作品に、また、将来の幾世代もの人々がつぎこまなければならない作品に、その人の全生涯を捧げること以上に、さらに意味深く、より美しい目的があるとでもいうのであろうか。(鳥居徳敏『よみがえる天才6 ガウディ』

無意識にはアルゴリズムがあるけれど、意識にはアルゴリズムが無いらしい。(斎藤環『生き延びるためのラカン』

「きっとママがうろたえ、かなしんでいる自分をなぐさめようと、あとから考えついた説明にすぎないのでしょう」(トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の仲間たち』ニョロニョロのひみつ)

人は互いに会わなくても愛し合えるものですよね、人はあなたのことを見なくても生涯あなたを愛しているのですから。(グレアム・グリーン『情事の終り』第三部サラの日記のなかでの告白)

歩行者のたどった道は見える。だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。(ショウペンハウエル『読書について』)