さて、読書会でも言ったのですが、私がこれに参加し始めたのは、もともとお芝居でギリシャ悲劇を観ることが多かったからです。
ギリシャ悲劇は、ギリシア神話を題材にして書かれた戯曲で、最も有名な悲劇詩人はアイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス。ギリシア神話がもとなので、もちろん神話でお馴染みの神々の名やギリシャの地名があちこちに出てきます。
私は、とにかく演出家の蜷川幸雄さんの舞台が好きで、ギリシャ悲劇だけでなくシェイクスピア劇も現代劇も、ぜんぶ蜷川さんの舞台がきっかけでたくさん知識をもらいました。
舞台って本当にナマモノだなぁと思うので、蜷川さん亡き今、なかなかその舞台の片鱗を味わうことは難しくなってしまいましたが、ギリシア神話に興味がある方にはきっと面白く観てもらえると思うので、何本かご紹介します。
★『オイディプス王』出演:野村萬斎、麻実れい 音楽:東儀秀樹
あらすじ:古代ギリシャ・コリントスの王子オイディプスは「父を殺し、母と姦通するであろう」という恐ろしい予言を避けるために放浪の旅に出る。やがて他国で王となり、妻を迎え幸せな日々を送るが、神アポロンの神託により悲劇的な運命が明らかにされていく…。

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当時シアターコクーンで観ましたが、萬斎の鬼気迫る演技と演出が神々しく、衝撃的なラストに鳥肌が止まらなかったです。
その後、本場アテネの野外円形劇場でも上演されました。
YouTubeでは映像が見つからなかったのですが、ぜひDVDを買ってでも観てほしい作品。

あらすじ:王女メディアは夫イアソンと共にコリントスで暮らしていた。だが、コリントス王の望みにより、夫イアソンは妻と子どもたちを捨て、王の娘との結婚を決めてしまう。さらにメディアには、王から国外追放の命令が下る。怒りと悲しみに暮れるメディアは夫とクレオン父娘への壮絶な復讐劇を始める…。

(ダイジェスト)
Ninagawa's Medea (1984)
Here's the ribbon spitting scene where Medea renounces her love for Jason.
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復讐のため自分の幼い息子二人をも手にかけるメディアは、子殺しの鬼母として語られることが多いです。しかし蜷川版では、平幹二朗演じるメディアの苦しみ・嘆きが全面に押し出されていて胸に迫ります。
男性が演じるメディアでもあり、人形作家の辻村ジュサブローが手がけた豪華絢爛な衣装も見どころの伝説的な作品。
★2005年に新しく上演された大竹しのぶ主演版の『メディア』も、より女の業が生々しく素晴らしかったです。
このほかにも、蜷川さんといえば10本のギリシャ悲劇を集めて10時間上演された(!)『グリークス』、
多民族出演で戦争の愚かさを描いた『トロイアの女たち』
ギリシャ悲劇「トロイアの女たち」戦争の悲惨さを忘れるな
http://ikebukurotv.com ←公式HP!More Info 詳しい情報と他の番組はこちらからどうぞ。蜷川幸雄演出「トロイアの悲劇」池袋の東京芸術劇場にて2012/12/11~12/20まで12回公演古代ギリシャは、紀元前450年頃に、トロイア(トルコの一部)をトロイの木馬の作戦で攻撃して 男を殺...
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またしてもアポロンの神託から巻き起こる物語、藤原竜也主演の『オレステス』
唯一?ネットでレンタルできる!
オレステス
苦悩と狂気にさいなまれながらも、生きるために懸命に策略をめぐらすオレステス役を藤原竜也。彼を支える姉エレクトラには、中島朋子。「グリークス」に引き続き、蜷川のギリシャ悲劇に登場。従兄弟のピュラデスには、演技に定評のある北村有起哉。メネラオスには蜷川作品にはかかせない吉田鋼太郎。そしてその妻ヘレネには香寿たつき、テ...
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…などなど挙げていたらかなり長文になりましたが、ギリシア神話のお供に、少しでもギリシャ悲劇の世界を垣間見ていただけたら幸いです🌟