名古屋在住の作家、吉川トリコさん。短編集「しゃぼん」でのデビュー以来、ドラマ化もされた「グッモーエビアン!」「戦場のガールズライフ」をはじめ、「少女病」「女優の娘」など数々の小説を発表されています。かつては「トリコ組」もあったほど猫町倶楽部と縁の深いトリコさんを招いての読書会&トークイベントが9月11日に行われました。課題本はもちろん彼女の最新作「余命一年、男をかう」です。

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19時から始まった読書会には42人が参加。登場人物を意識したファッションや髪の色など自主的ドレスコードの参加者もちらほらいます。7グループに分かれての読書会のファシリテーターは「髪を染めたことのある人(複数の場合は一番強い色に染めたことのある人」。かつてのトリコ組のメンバーも多数参加していました。
読書会では小説の内容からさまざまな話題が飛び交いました。男女逆転の面白さ、カテゴライズのこと、アメリカンキルト、というモチーフ等々。「瀬名のような男性と出会えた唯がうらやましい」「今までの自分を肯定された気がする」と話は尽きません。登場人物がみんなとにかくチャーミング、というトリコさんの小説の魅力からか、主人公だけでなく脇役の一人ひとりにも目を向けた感想が出てきました。
トリコさんは主宰のタツヤさんとともに各グループを回っていただきました。ここでは質問ではなく感想を伝えていきます。しっかり課題本を読んだうえでの感想に「さすが猫町倶楽部!」とトリコさんも嬉しそうでした。

10分間の休憩をはさんで、20時55分からはトリコさんのトークタイムです。この小説を書くきっかけとなった映画(そしてトリコさんの推し)の話、「ひとりで生きていくことを否定するようには書きたくなかった」「多面的に書きたい」といったことなど、小説の背景にあるトリコさんの「ものの見方」が見えてくるようなお話に聞き入っていた参加者も多いのではないでしょうか。

そして懇親会はお待ちかねの質問タイム!トリコさんに、チャットに流れてくるさまざまな質問に答えていただきます。「ホストクラブのオーナーのモデルはいますか?」「トリコさんが余命一年と言われたら?」という質問の中、やはり気になるのは「映像化のご予定は?そして誰にどの役を演じてほしいですか?」ということ。今のところ出版されたばかりということもあり映像化の予定はまだ無いそうですが、テンポの良い文章から目の前に唯と瀬名が現れてきそうで、映像化される日も近いのではないか、と期待しています。

なお、イベント開催後にはトリコさんへのインタビューも行っております。
今回のイベントに対するトリコさんの嬉しい感想も!是非お読みくださいね。


さて、11月からは吉川トリコさん選書によるフェミニズム関連本の読書会「トリコ組オンライン」が隔月ではじまります。こちらの方にも是非ご参加ください。

設営:「余命一年、男をかう」サポーターチーム
(あじさい、OKKO、もし、AKI、むつみ)