洋書読書会では、2025年8月から2026年7月までの課題本を北村紗衣先生に選書いただいています。8月~12月分の紹介記事 に続いて、今回は1月~3月分の課題本を紹介します。
今回紹介する範囲の課題本は、いずれも無償版をKindleあるいはネット上で閲覧することができます。

2025年8月~2026年7月の課題本ラインナップは以下の通りです。
8月 Matthew Johnstone, Living with a Black Dog<済>
9月 Chinua Achebe, The Sacrificial Egg<済>
10月 Oscar Wilde, The Canterville Ghost<済>
11月 Arthur Conan Doyle, The Adventure of the Copper Beeches<済>
12月 O. Henry, The Gift of the Magi<済>
1月 James Joyce, The Dead
2月 Tennessee Williams, Lord Byron’s Love Letter
3月 Lady Augusta Gregory, The Rising of the Moon
4月 Willa Cather, Paul’s Case
5月 Sarah Orne Jewett, Martha’s Lady
6月 Toni Morrison, Recitatif
7月 Charlotte Perkins Gilman, The Yellow Wallpaper

1月 James Joyce, The Dead

ジェイムズ・ジョイス (1882-1941) はアイルランド出身の作家で、『ユリシーズ (Ulysses)』などの作品で知られています。
本作品は、ジェイムズ・ジョイスの出身地であるアイルランドの首都ダブリンを舞台とした15編の短編集 “Dubliners” に収録されています。電子版はWikisourceやProject Gutenbergで無償で読めます。30ページ程度とややボリュームがあるので、年末年始にじっくり読むと良さそうです。
Dubliners | Joyce, James (Amazon 紙書籍、Kindle版)
Dubliners/The Dead (Wikisource)
Dubliners, by James Joyce (Project Gutenberg)

日本語訳も複数の出版社から出版されています。
『ダブリンの人びと』ジェイムズ・ジョイス、米本義孝 (筑摩書房)
『ダブリナーズ』 ジェイムズ・ジョイス、柳瀬尚紀訳  (新潮社)

私は本作の内容について知識がないので、Geminiに紹介文を書いてもらいました(一部手修正)。

華やかな冬のパーティーの喧騒が幕を閉じた後、物語は静謐で衝撃的な結末へと向かいます。 主人公のガブリエルは、妻が隠し持っていた「自分さえ知らない過去の恋」を突然突きつけられ、長年連れ添った夫婦の間の深い断絶に直面します。アイルランド全土に降り積もる雪の描写は、特に美しい一節として知られています。


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2月 Tennessee Williams, Lord Byron’s Love Letter

テネシー・ウィリアムズ (1911-1983) は米国出身の劇作家です。
本作は一幕劇 (one act play) と呼ばれる1つの幕だけで完結する戯曲で、戯曲集 “27 Wagons Full of Cotton and Other One-Act Plays” に収録されています。
Amazonで紙書籍版とKindle版が販売されているほか、Internet Archiveからオンラインで読むことができます。日本語訳も過去に出版されていたようですが、現在は入手困難です。
27 Wagons Full of Cotton and Other Plays  (Amazon 紙書籍、Kindle版)
27 Wagons Full Of Cotton And Other One Act Plays  (Internet Archive)

私を含めて戯曲に慣れていない方も多いかと思いますが、10ページ程度なので比較的ハードルは低そうです。YouTubeに本作の上演が複数上がっているので、まずはイメージをつかむために視聴するのも良さそうです。

Geminiによる本作の紹介文(一部手修正):

没落した貴族の末裔である老婦人とその孫娘が、かつてバイロン卿 (※) から受け取ったという「秘蔵の手紙」をめぐる物語です。 物語は、見世物としてその手紙を読ませることで生計を立てる二人の切実な暮らしと、閉ざされた屋敷に漂う異様な執着を描き出します。 嘘か真か分からない伝説にすがりつき、栄光の影に閉じ込められた女たちの姿は、滑稽でありながらも胸を締め付けるような哀愁を放っています。

※イギリスの詩人 George Gordon Byron (1788-1824) を指すようです。

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3月 Lady Augusta Gregory, The Rising of the Moon

オーガスタ・グレゴリー夫人 (1852-1932) はアイルランド出身の劇作家です。本作も2月の “Lord Byron’s Love Letter” と同じく一幕劇で、15ページ程度とこちらの方が若干長いです。
本作は作品集 “Seven Short Plays” に収録されており、紙書籍版・Kindle版がAmazonで販売されているほか、電子版がProject Gutenbergで無償公開されています。過去に日本語訳も出版されていたようですが、現在は絶版となっています。
Seven Short Plays  (Amazon 紙書籍)
Seven Short Plays  (Amazon Kindle版)
Seven Short Plays  (Project Gutenberg)

Geminiによる本作の紹介文(一部手修正):

月明かりの波止場を舞台に、逃亡中の革命家と彼を追う警官の緊迫した心理戦を描いた傑作です。 懸賞金のために男を捕らえようとする警官ですが、正体不明の「歌う男」との奇妙な対話を通じて、自分自身の心の奥底に眠る愛国心と過去の記憶を呼び覚まされていきます。  義務と情熱、敵と味方の境界が揺らぎ始める中、ついに訪れる決断の瞬間は、読む者の胸に「真の忠誠とは何か」を深く問いかけます。 

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それでは、洋書読書会のテーブルで、皆様とお会いできる事を楽しみにしております。

【洋書読書会について】
■読書会自体は日本語で行います。
■どのくらいのレベルから参加していいの?
高卒相当まで英語を学び、その後は英語に密に触れる機会はなかったけれど、これを機に努力して主に大人向けの小説などを英語の原書で読了してみたいという意欲のある方であれば大歓迎です。またこの読書会の目的は本の内容(ストーリーや登場人物の心情など)についての感想を話すことで、一言一句の理解や、英文読解・英文解釈のような精読を求めてはおりません。読み進めるにあたり、翻訳版や解説書などの力を借りて頂いても結構です。