どうも今年のクリスマスフェスの広報担当の一人、文鳥さんです。

クリスマスフェスに向かって、僕が読了した課題本、鑑賞した課題映画を次々と紹介しちゃおうというお話第六弾です。


今回の紹介本は石川善樹『問い続ける力』です。

といっても、課題部分はこの本の第二部 問い続ける達人たち 二村ヒトシ―性とは何か?です。
その部分を読んでくだされば読了したとして参加条件は得られます。

二村組がやるよ

猫町倶楽部には色んな分科会があります。
そのなかでもオンラインになってから設立された「二村組」
選書をするのはAV監督で作家の二村ヒトシさん。本や映画を課題にして人間にとっての恋愛とは何なのかを二村ヒトシさんと一緒に考察する分科会です。
今、二村組で対話の手法として取り組まれているのが哲学対話です。
哲学対話とは、子どもたちの思考力を養うために70年代にアメリカで始まった「子どものための哲学」由来します。
哲学者の思想を教えたり抽象的な問題について議論したりするのではなく、各人が一人で思索にふけるのでもありません。
身近な問いから出発して、グループで一緒に問い、考え、話をしていくものです。

哲学対話のルールには下記のようなルールがあります。
1.何を発言してもよい
2.他者が発言したことに対して否定的な態度をとらない
3.発言せず、ただ聞いているだけでもよい
4.お互いに問いかけるようにする
5.知識ではなく、自分の経験に即して話す
6.話がまとまらなくてもよい
7.意見が変わってもよい
8.分からなくてもよい


猫町では「他人の意見を否定しない」という唯一のルールがありますが、それに上記のルールでやってみようという試みですね。

今回のクリスマスフェスにもそれが組み込まれると思いますが、知識に即して話すのではなく経験に基づいて(実感を伴って)発言することを需要視しますので、哲学的知識や哲学的素養がなくとも参加できますので、ご安心ください。
さらに今回はテーマが「性とは何か?」ですから、いつもとは違った読書会を体感できるのは間違いないです!

問うということを問う本

課題としては指定された部分を読了でOKなんですが、この本自体が良い本なので僕自身も一通り読むことをお勧めします。

色んな意見が聞けて良いじゃないっていうのが猫町の読書会やシネマテーブルの良さなんですけど、人が話し合う時って、「解決策」や「答え探し」だけの議論に終始してしまう時ってあると思うんですよね。


何かの抽象的な作品があったとして、それは人それぞれの受け止め方や解釈が出来るわけですが、「これは答えだ!」って持っていきたくなっちゃうんです。

でも、抽象的な作品自体に答えがないのだから、結局は「なんとなくわかった気になる」って状態に。


今回は性がテーマですから、さらに難しいですよね(汗)


なので、色んな事を話し合う上で「問題定義」が非常に重要になると思います。


本書の第一部の見出しに書かれている言葉あります。


解決策がわからないのではない。 問題がわかっていないのだ。

イギリスの作家・批評家のギルバート・ケイス・チェスタトンの言葉です。


世の中分からないことはすぐググれだの、周りの人に聞けとか言われますが、時には自分の中で『〇〇とは』を咀嚼し、何がどう分からないのかを考えるって大事なことだったります。

そこで「問い」というもの自体を考える良い機会になると思います。


この本は二部構成になっています。
第一部は著者の経験や著名人の思考法、研究結果を交えながら、「問う」ことについて掘り下げていっています。

そして、第二部には著者と二村さんとの対談が含まれた「問い続ける達人」たちとの対談が収録されています。


なので、課題箇所の部分だけでも良いですが、そこに至るまでの部分を読んでおくとより理解は深まると思いますし、他の方との対談も色んな分野の話があって非常に面白いです。
対談部分の目次を記しておきますね。


長沼伸一郎―考えるとは何か?
出口治明―時代とは何か?
御立尚資―大局観とは何か?
寺西重郎―日本的資本主義とは何か?
岩佐文夫―直観とは何か?
若林恵―文化とは何か?
二村ヒトシ―性とは何か?
松嶋啓介―アートとは何か?
松王政浩―証拠とは何か?


色んなジャンルがあって面白そうでしょう?

この本を読んでいると今までこれが正解であるとされていることとは違うアプローチを試してみたくなりますし、体感するきっかけになるじゃないかと思います。

もちろん、二村ヒトシさんも来ます

『すべてはモテるためである』などたくさんの恋愛や性愛についての本も書かれている二村さんも来られます。

12月19日(土)15:00 〜 18:45
https://nekomachi-club.com/events/5e43806d6172

初参加の方も来られるでしょうし、常連さんも来られると思いますが、対話時間を多く配分し、他の分科会の回よりも長い時間のイベントとなります。
どんな対話がされるのか僕には予想がつきませんw

以上、こんな感じで、文鳥さん視点で好きなようにクリスマスフェス課題をこれからも語って行く予定です。

ご参加お待ちしております。