今回のレポートは、ハードボイルドにかぶれた俺がお届けする。
今宵、OSAKAの濃密な夜に集まってくれた仲間は25人。でも安心しな、毎度初参加者もいる、大歓迎だ。
場所はビストロ酒場YUZU cafe&bar北浜本店。オフィス街に潜む酒場だ。OSAKAメトロ堺筋線「北浜駅」、御堂筋線「淀屋橋駅」、どちらからもアクセス抜群だ。
16時ごろ、参加者が店に集まり始める。みんな懐には、何か不気味で重たいものを忍ばせている。何か物騒なものでも仕込んでやがるのか?いや、そいつは課題本だ。続々と店にやってくる。おやおや、21世紀に本を読みながら歩いてる奴を見かけるなんて。開始時間までには読み終わってくれよ。
今回の課題本は2冊。ボスからは「どっちか好きな方を選べ」とのお達しだ。
1冊目は青田麻未『「ふつうの暮らし」を美学する 家から考える「日常美学」入門』
2冊目はレイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』
『ロング・グッドバイ』はハードボイルド小説のスタイルを決定づけた作品。そしてこの夜のドレスコードは『ロング・グッドバイ』にちなんで、ハードボイルドときたもんだ。
場違いな奴は一人もいない。全員がそれぞれにキメてきている。ベストドレッサーには景品も用意されているっていうんだから、気合が入らないわけがない。
猫町倶楽部の読書会は、勉強会じゃない。専門知識なんざいらねぇ。参加条件はただひとつ、「課題本を読んできたやつだけが、この場に立てる」。そして大切なルール、「他人の意見を否定してはいけない」。仕事も年齢も関係なし、一冊の本を読了した者だけが語り合える。その場に漂う熱気は、他所じゃ味わえない。学生だろうと社会人だろうと、この一夜だけは肩を並べて同じ世界に生きる。
この会にはサポーターってやつらがいる。何か困ったことがあれば、ヤツらに声をかけな。ヤツらは表には出ないが、いつでも陰から見守ってるぜ。頼りにしてもいいが、甘く見ちゃいけない。困ってるやつには必ず手を貸す、それがあいつらの仕事だ。
読書会の後は懇親会だ。料理と酒に囲まれ、楽しい夜が続く。もちろん読書会だけで抜けてもいい。だが、読書会だけで帰るには名残惜しい、ギムレットにはまだ早すぎる。
せっかく一緒の時間を過ごすのだから、たくさんの仲間と交流してほしい。途中で席替えもあるらしい。「最近観た映画」や「フリートーク」まで、好きなテーマのテーブルに座って語り明かせる。
俺もこの会に顔を出して10年以上になる。遠くから来てくれるツワモノもいれば、毎月欠かさずやってくる常連もいる。久しぶりに顔を見せる古株もいれば、緊張しながら初めて参加する新顔もいる。気に入ってまた戻ってきてくれるのが一番嬉しいが、ここじゃ強制はしない。来るか来ないか、それはそいつ次第さ。
そして今回は記念すべき一周年ってわけだ。誰もが待ちわびていた夜だ。やっとのことで再開できたこの場所、街の片隅で、静かに息を吹き返したってわけだ。
あのコロナ禍で中断していた対面の集まりが、復活してようやく丸一年を迎えた。
次回の開催は12月14日、クリスマスの季節だ。
①ケストナー『飛ぶ教室』 (光文社古典新訳文庫) ※出版社・訳者は問いません。
②小坂井 敏晶 『社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉』 (筑摩選書)
そいつが次の課題本らしい。
プレゼント交換もあるときたら、これまた最高の夜になるに違いない。
次回のドレスコードは"クリスマスorパーティー"だとよ。聖夜にふさわしい格好か、それとも一発キメたパーティースタイルか、好きなほうを選ぶといい。だが、この会に来るなら気を抜いちゃいけない。普段着にちょっとした遊び心を取り入れてもいいし、それとも勝負服で来てもいい。ここに集まる連中は、一筋縄じゃいかないだろうよ。
たくさんの参加、まってるぜ。
2024/11/10 23:00