著者の九龍ジョーさんもご参加の『伝統芸能の革命児たち』読書会へ。
読書会ラッシュでアップアップしているところにねじ込みましたが、無理して正解の楽しい読書会でした。

課題本は、歌舞伎、能楽、狂言、文楽、新派、落語、講談、浪曲、ストリップと、非常に広範な内容。
文楽や歌舞伎は数回観たことがあり、あとは能楽を猫町倶楽部のイベントで観たぐらいですが、全然詳しくない落語や講談にも視野がすごく広がる有難い本でした。
読書会でも、これは知っているがこれは知らない、という者同士でお互い紹介し合ったりできて話が尽きなかったです。ストリップだけは未知の世界のままでしたが気になるジャンル。
演目は入門書である程度調べられますが、演者ってこの本のような何かのきっかけで名前を覚えないとインターネットやパンフレットを見ても全然引っかからないんですよね。
上巻(歌舞伎など)&下巻(落語など)のように分冊にして内容を膨らませた方が売りやすい気もしますが、そうしなかったところに九龍さんの意志を感じるし、関心を広げるという点ではこれでよかったと思います。

読書会後のトークショーではたくさんの興味あるトピックが。特に印象に残ったのは以下。
・快楽亭ブラックと九龍さんの付き合いの話
⇒九龍さんの行動力にビックリ!
・2015年のワンピース歌舞伎がターニングポイント
⇒漫画原作の歌舞伎はスルーしていましたが、本を読んで何かしら観に行ってみたくなりました。
・今生きている人に面白さを伝えることが大事。変えずに残すことも大事ではあるがリアリティが無くなる。
・立川談志が与えた影響の大きさ
・価値観をアップデートするためには新作が必要。新作を作る人はなぜそのジャンルでやるのかの必然性や強みを自問自答することになる。
・今は、江戸時代に確立した芸能に生に触れた名人に接触した人物がどんどん亡くなっている時期。エビデンスが無くなる。これからなぜこうするのかを問われる時期。

また、オンラインでの鑑賞についてどうお考えか気になったので質問もさせていただきました。
・コロナ禍でオンライン配信が増えましたがどうしても生鑑賞とは別物だと思います。九龍さんはオンライン配信で初めて観て衝撃を受けた演者はいますか?またそういう可能性はあると思いますか?
→面白そうなものをチェックするのにはyoutubeは活用している。過去の映像もたくさん観れるし。ただ、生舞台で観れば本当は面白いのに伝わり方が残念な動画も多い。やっぱり伝統芸能は空間込みだと思う。特に能楽。NHK番組「にっぽんの芸能」はあるが詳しくない人には良く分からないと思う。

たくさん気になる演者の名前を覚えたので、目について行ける公演があったら積極的に足を運びたいと思います。
特に、神田伯山の講談を生で聴いてみたくなりました。表紙のイラストではセンターだし。