ゲスト:高橋芳朗『ディス・イズ・アメリカ「トランプ時代」のポップミュージック』
This is 藝術部の開催レポートです!

参加者41名、ゲストに著者である高橋芳朗さん、with スモール出版の三浦さん。
前半は6,7名ずつ6つのグループに別れて読書会、後半はゲストの高橋芳朗さんトークショーが行われました。
読書会の6つのグループ名は課題本に登場した曲名です。
【Alright】【Brave】【Glory】【Praying】【Rainbow】【Roar】
どの曲も素晴らしいですが、特にケンドリック・ラマーのAlrightを気に入る人が多かったと思います。Black Lives Matter運動のアンセムと言える曲です。
Kendrick Lamar - Alright
To Pimp A Butterfly album out nowiTunes: http://smarturl.it/ToPimpAButterfly Target: http://smarturl.it/ToPimpAButterflyTGGoogle Play: http://smarturl.it/ToP...
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「アメリカは嫌いだったけど、この本を読んで曲を聴いて、少し好きになった。なんて熱いんだ」
読書会で最初にお聞きした感想です。そうです!この課題本に出てくるミュージシャンと曲がものすごく熱い!アメリカ社会の根深い人種差別や社会問題と正面から向き合い、それを歌詞で強烈に表現している。黒人差別、LGBTQ、フェミニズム、銃規制など、それらの問題と真っ向から闘うミュージシャンたち。中でもケンドリック・ラマー、ビヨンセ 、アリアナ・グランデ、チャイルディッシュ・ガンビーノは圧倒的に凄い。
Childish Gambino - This Is America (Official Video)
“This is America” by Childish Gambino http://smarturl.it/TcIgADirector: Hiro MuraiProducer: Jason Cole of Doomsday with Ibra Ake and Fam Rothstein of Wolf + ...
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「私が嫌いだったのはアメリカの白人社会で、オレが正義だ的な面、黒人女性歌手が活躍するアメリカは好きになった」
「政治的発言が歌詞にあるのは知っていたけど、ここまでとは思ってなかった。本気度が伝わってきた」
「曲名は知っていたけど、曲の背景は知らなかった。Black Lives Matterと公民権運動のつながり、黒人差別の歴史が根深い」
「Strange Fruitがショッキングすぎる、これほど重くつらい歌詞があったとは」
など、課題本に劣らず熱い感想が飛び交う読書会でした。
読書会中にゲストの高橋芳朗さんに各グループを回っていただき、いろいろ質問させていただきました。
Q「この本にレディー・ガガの曲がないのはなぜですか?」
A「この5年くらいミュージシャンとしての質は低下している。アクティビストとしては活躍している」
Q「他の国も政治的メッセージが多いですか?」
A「国によるが、フランスは割とコアな政治的メッセージが含まれている」
Q「これから何を聴いたらいいですか?」
A「サブスクで今流行のプレイリストを聴いてみては」
後半、高橋芳朗さんトークショーでは、高橋さん選曲のプレイリストを作成していただき、その曲を紹介していただきました。
1曲目に紹介されたのはカーディ・BのWAP、○○○に関する曲、2020年を代表する曲。
保守派からはなんて下品な曲と批判され、リベラル派からはこれは女性の開放の曲であり、フェミニズム、女性のエンパワメントソングだと賞賛された。ラッパーのスヌープドッグからも女性がいかがなものかと批判されて、また脚光を浴びた。男性ラッパーが女性ラッパーを軽視している。(課題本にあったカーディ・BのMoneyと同じく、ミュージックビデオすごいです)
Cardi B - WAP feat. Megan Thee Stallion [Official Music Video]
Cardi B - WAP feat. Megan Thee StallionStream/Download - https://CardiB.lnk.to/WAPSubscribe for more official content from Cardi B: https://CardiB.lnk.to/Sub...
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高橋さんが絶賛されていたのがアリアナ・グランデのpositons。
ラブソングに見えて、歌詞を読むと女性の地位向上を訴える曲。大統領選挙投票日も計算してリリースしたタイミングも完璧。
Ariana Grande - positions (official video)
The official “positions” music video by Ariana Grande. Listen & download the song here: http://arianagrande.lnk.to/positions ►Subscribe to Ariana Grande: htt...
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最後の質問コーナーでは、参加者の皆様からのたくさんの質問に答えていただきました。
Q「アメリカ人は歌詞をきちんと聞いていますか?」
A「聞いていないと思う。かなり微妙だと思う。Geniusなど歌詞検索サイトで調べる人も多い。ネイティブも実際かなりわかっていない」
Q「TBSラジオの『生活は踊る』や『金曜ボイスログ』の選曲を毎日楽しみに聴いています。例えば雨の日にはロックステディーなど気分が明るくなる曲を選ばれているような気がするのですが、当日に選曲を変更することもあるのでしょうか?」
A「バンバン変えてる。その日の出来事やその週の出来事や天気をできるだけ反映するようにしている。そこはかなりこだわり持ってやっている。元の選曲リストは一週間前には提出している」
またいろいろ聴いてみたくなるトークショーに、たくさんの質問にも全てお答えいただき、ゲストの高橋芳朗さん、本当にありがとうごさいました!!
読書会にご参加いただいた皆様、熱い課題本に盛り上がる読書会となり、大変有意義なクリスマスフェスを楽しめましたね!
最後にみんなで記念撮影(課題本が何となくクリスマスぽい?)。

2021年1月20日(水)
高橋芳朗『生活が踊る歌』
猫町倶楽部事務局
ゲスト:高橋芳朗『生活が踊る歌』
20:30 ・ オンライン(Zoom) 、 オンライン(Zoom)
こちらもぜひ読んで聴いて(踊って?)ご参加ください!
2021年も猫町倶楽部オンライン読書会を楽しみましょう!!
「この本を読んだことがきっかけで、好きになった曲やアーティストがあれば教えてください」
・ケイシー・マスグレイヴス High Horse
・アリアナ・グランデ thank u, next
・アリアナ・グランデ Somewhere Over the Rainbow (Live From Manchester)
【主要な問題点5つ】
・同性愛嫌悪(LGBTQ)
・黒人差別
・男女不平等
・銃社会
・グラミー賞
【主要なミュージシャン5人】
・ケンドリック・ラマー p28-37, 46-66, 126
・ビヨンセ p100-113, 168-173
・アリアナ・グランデ p136-153
・チャイルディッシュ・ガンビーノ p154-157
・ビリー・アイリッシュ p216-218, 228-237
【主要な曲5つ】
・Common, John Legend - Glory (2014) p23
・Kendrick Lamar - Alright (2015) p65
・Beyonce - Formation (2016) p100
・Ariana Grande - Somewhere Over the Rainbow (Live From Manchester) (2017) p147
・Childish Gambino - This Is America (2018) p155
【主要なミュージックビデオ5つ】
・Kendrick Lamar - Alright (2015) p65
・Beyonce - Formation (2016) p100
・Childish Gambino - This Is America (2018) p155
・Taylor Swift - You Need To Calm Down (2019) p185
・Billie Eilish - all the good girls go to hell (2019) p235
【ショッキングな曲5つ】
・Bruce Springsteen - American Skin (41 Shots) (2014) p38
・Bob Dylan - The Death of Emmett Till (1962) p43
・Robert Glasper - I’m Dying of Thirst (2015) p53
・Billie Holiday - Strange Fruit (1939) p114
・Madonna - God Control (2019) p200