去る6月14日(火)、藝術部読書会、鳥居徳敏『よみがえる天才6    ガウディ』に参加しました。

スペインの建築家、ガウディ。知っているのは、サグラダ・ファミリアと、バルセロナの街中にある、曲線の印象的なマンションみたいな建物、それだけでした。面白い建物、造形美、というイメージしかなかったように思います。しかし、読んでみると、サグラダ・ファミリアは教会で、キリスト教の世界を形にしたものであり、多くの献金、寄付で作られていること、「贖罪」の聖堂であること、などが書かれていました。

同じ建築でも、日本の建物は、50年そこそこで「老朽化により・・・」みたいなことをよく言われますよね?つい最近も耳にして、「そんなにもたないんだ」と思ったばかりでした。ガウディの建築は、それとは違ってすごく豊かなところにいるように感じてしまいました(時代が違う、と言われればそれまでですが)。

ガウディの言葉でとても印象的だったものがありました。
(230ページの2行目より)
「独創的であろうと望むべきでない。いかなることも過去になされたことに基づくべきである。そうしなければ、目的には達せず、過去何世紀もの間になされてきたあらゆる失敗に陥るであろう。過去の教えを蔑むべきではない。各人は各人の様式をうちに持ち、知らず知らずのうちに出るものである」

→歴史主義、ということになるのでしょうか。冒頭の一文は意外でした。独創的とか、誰もやったことがないことを望んだり望まれたりすることって、特に仕事では多いように感じます。謙虚なガウディの姿勢に学ぶものがありそうです。

ところで、オンライン読書会では、自分が参加したテーブル以外の様子は、なかなか分からないものです。そして、だいたいテーブルごとに全く違う話をしていることも多く(!)、同じ本を読んでいるのに興味深いなと、いつも感じます。今回も、他のテーブルの方に聞きこみをしてみました!


・ピラミッドも貧しい人たちの雇用の機会を作るために行われた公共事業という側面もあったとのことで、サグラダ・ファミリアも、長期間・大人数によるアートプロジェクトであり、公共事業とも言えるのではないか。
その中でガウディはプロジェクトマネージャーであり、みんなに担がれる御輿であった。

・ガウディは建築家というよりは芸術家。サグラダ・ファミリアも教会というより芸術作品(これをおっしゃった方が、「サグラダ・ファミリア教会を現地で見たときに、偶像崇拝を禁止している宗教の教会なのに、たくさんの塑像が彫り出されているのを見てそう感じた」って言われていたのが印象的だった)

・サクラダ・ファミリアの主任彫刻家の日本人の話が、ドキュメンタリー映画「創造と神秘のサクラダ・ファミリア」で、取り上げられていた。最初門前払いだったのが、作業に紛れ込んで仲良くなって、いつの間にやら主任彫刻家になっていたという流れが面白かった。

・現地で建築を見たことがあるが、ガウディの考えは知らなかったので勉強になった

・ガウディもトーラスもマラガイも、サグラダファミリアに動かされていたのでは?ガウディがサグラダファミリアを作ったのではなく、サグラダファミリアにガウディは作らされていた。ガウディですらピースの一部。


そして、どなたかがラウンジのタイムラインにあげてくださった、NHKのBSプレミアムの番組の再放送を先日観たのですが、読書会後だったおかげで興味深く拝見しました。コロナ禍に沈む世界を照らすマリアの塔が完成、というテーマでした。建築は「かっこいい」とか「美しい」だけではなく、人々の心の拠りどころになることがあるのですね。マリアの塔の完成のセレモニーに集い、塔を見上げる人々の表情を見ながら感じました(聖書読書会を経たから、というのもあるのかもしれません)。そう考えると、テーブルでも話題に上った、「ガウディは建築家というより芸術家」というのがすごくしっくり来る気がします。


→ちなみに、彫刻家の外尾悦郎さんと薬師丸ひろ子さんの対談が撮影された場所、東京の池袋にある『自由学園明日館』という所です。ここで結婚式をした友人がいて以前訪れたのですが、なかなか素敵ですよ。木の感じと、全体に散りばめられている幾何学模様がとても印象的です。ご興味のある方はぜひ。


ちなみに・・・
7月4日(月)20時30分から、同じ本で読書会があります。新書で比較的読みやすいですし、藝術部はまだ参加したことがないという方にもぜひご参加いただきたいです。長編読書会で聖書を読まれた方にもおすすめです。7月1日(金)23時59分締切です!

私個人の話で恐縮ですが、藝術部サポーターとして参加する読書会は今回が最後でした。2年余り活動させてもらいましたが、いろいろ刺激的で楽しかったですね。仕事(?)っぽいんだけど、決して仕事ではない。最高のポジションだなぁと思いました。きっと皆さんそれぞれご自分のリアルの仕事のやり方だったり、ペースを無意識に持ち込んでいらっしゃると思うのですが、それもまた新鮮で楽しかったり(笑)。
一緒に活動していただいた藝術部サポーターの方々、読書会にご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。これからも、ラウンジ仲間としてよろしくお願いします!