オペラは数年前に猫町藝術部の企画で「椿姫」をリアル鑑賞。
その次がオンラインオペラの「カルメン」「蝶々夫人」「フィデリオ」で4作目。
元々全く知らない世界なので毎回新しい発見があります。
前回の「蝶々夫人」があまりにもつっこみどころが多くて
たぶん本来の作品趣旨とは違うところで盛り上がったのもまた楽しかったのですが、
今回は「オペラに出てくる男はみんなクズ」説(笑)を覆す作品でした。
特にクズ男は出てこないです。
レオノーレ、ロッコ、マルツェリーネ、ヤキーノがそれぞれ違う思いを謳いあげるシーンにはびっくり。
歌詞も違うのにちゃんとハーモニーっぽくなってるのが素晴らしい。
(私は字幕があればこそ、現地のみなさまは歌詞をそれぞれ理解しながら聴くのだろうか...)
悪役ピツァロが「いかにも」悪そうな面構えでよかった。
さらに囚人たちが一時的に外へ出てくるときの合唱。
いままで見た中でも一番じーんときました。
そしてまた収容されるときに後ろ向きに歩いて戻っていく...のは
演出だったのか、鎖で繋がれているからそうやってしか戻れないのか。
(同じテーブルでは「演出」だろうという声が多かったです)
と、よかったところをファシリの方に聞かれて最初にお話し、他の方の「いいところ」を聞いたら、さらにいいもの観た気がしてきました(単純)。
とはいえ、物語的に腑に落ちないところもいろいろ。
フロレスタンと囚人たちが自由を勝ち取ったとき、
あんなに嫌ってた門番の男に寄りかかるマルツェリーネ、
フィデリオを娘婿にするつもりだったのに実は男装したレオノーレだったと知っても
素直に喜ぶロッコ、などなど。
そういう些末な話の整合性より、お決まりのストーリーと楽曲を堪能するのがオペラなのかなー、歌舞伎の定番を見に行くのと同じような感じで(と、歌舞伎の定番も知らない私が言うのもナンだけど)と思った作品でした。
チラっとみたフィデリオバーンスタイン版もちゃんと観てみよっかな。