映画『ドライブ・マイ・カー』 濱口竜介監督の合同取材会に猫町倶楽部が参加しました。読書会コミュニティの猫町倶楽部が外部取材を行うのはこれが初めて。せっかくの機会なので、映画について語る分科会・シネマテーブルを代表してしょうこが読書好き・映画好きの皆さんに向けたメッセージをいただきました!

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ーー猫町倶楽部は一つの映画や本をテーマに話し合う会を年間約300回主催しています。濱口監督は一つの映画について仲間と感想を話し合ったりする機会はありますか?

月一でやっている勉強会が2つぐらいあり、そこで映画を見てお互いの感想を持ち寄りあうことをしています。それはめちゃめちゃ大事、他の人が「ここがいいんだよね」というのを見直すことで自分の映画の見方が完成させられる、膨らんでいくことがあるので貴重な機会だと思っています。

ーー村上春樹さんの原作を脚本に落とし込む上でどのようなことをポイントにしましたか?

文章の後を追わないこと。文章でできることと映像でできることは全然違うので、文章がどれだけ魅力的であったとしても、それを単に映像で再現することは映像にとって必ずしも一番いいことではありません。原作としていただいている以上、その精神に則るのは大事なことなので、原作を何度も何度も読むことはします。でも、そこで自分が受け取ったものがあって、それを映像で…つまり役者さんの行動や言動でどう組み立てていくか映画的に考える、いただいた原作の要素を映画の脚本としてどう組み立て直すかということは考えてきました。

ーー読書好きの中には『ワーニャ伯父さん』や『女のいない男たち』の原作で満足して映画は見なくてもいいかな、と思う方もいるかと思います。そんな方へ向けてのメッセージをお願いします。

村上春樹さんが柴田元幸さんと『翻訳夜話』の中で翻訳論を語っていて、翻訳っていうのは一番効率の悪い読書なのだと言っています。一文一文を検討するように読んで、翻訳者は元の本ともの凄く強いつながりを持つということを述べているのですが、逆に言うと効率の悪さがないと作品とそこまで深いつながりを持つのは難しいと思うんですよ。その効率の悪い読書とか鑑賞体験をする、例えば別の形に翻案されたものを見るといったことで作品と関わる時間を増やしていくと、思いもかけず強いつながりが生まれたりするんじゃないかと。

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濱口監督も映画について語る会を開いてるんですね!潜入してみたいものです…。作品の制作背景や印象的なあのシーン、影響を受けているあの監督についてなど、インタビューは「②この映画の一番いい形 」に続きます(猫町ラウンジ限定記事)。合わせてお読みください。

『ドライブ・マイ・カー』を観終えたら、濱口監督のように誰かと感想を話したくなりませんか?猫町倶楽部では9/4(土)『ドライブ・マイ・カー』、9/29(水)『ワーニャ伯父さん』について話す会を予定しています。参加条件は作品の鑑賞/読了のみ。皆さんぜひ気軽にお越しください。