「センスが良い」と言われて悪い気はしない。
「センスが悪い」と言われればムッとする。

何が良い(悪い)のか分からないけれど、その曖昧さ故に心に刺さりやすいこの「センス」を良くしたいと思う人は世の中にたくさんいることでしょう。
今回の課題本はそんな願望に真正面から応えますよ、というタイトルの本。
千葉雅也『センスの哲学』をテーマに読書会を開催しました。

◾️開催日時:2024年6月8日(土)
◾️開催会場:ビストロ酒場YUZU    cafe&bar 北浜本店
◾️開催時刻:16:30〜18:40(読書会)
                       18:50〜20:50(懇親会)

今回は21名の方々が参加し、4つのテーブルに分かれて読書会を行いました。

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猫町倶楽部の読書会のスタイルは、課題本を読んでくること、そして、その課題本をテーマに皆が語り合うことにあります。
千葉雅也さんの著書が好きだから参加してくれた人もいれば、「本当にセンスが良くなるのか?」という視点で読んだ方も参加されています。
読書会のルールとして「他人の意見を否定しない」というのはありますが、課題本の是非について語るのは自由なので、今回も各テーブルで本書について様々な視点から意見交換が行われました。

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「本の中身とタイトルが合っていない。『現代アートにおける個性の出し方』の方が良いのでは?」
「おそらく著者の考える【センスを良くする】ための技術論としては巻末の一部だけで完結してしまうのだと思う。著者の考える【センスの良さ】を定義し、説明する上で、自分のフィールドに持っていくことに目的があったのではないか。」
「物語の大味なエモさにばかり目をやると見落としてしまう良さというのは確かにある。一方で、芸の細かさばかりこだわった作品はいわゆる玄人好み過ぎてついていけないし、逆に細部が疎かな場合も見る人は拒絶する。センスの良い作品とは、そのあたりのバランスがちょうど良いものなのかもしれない。」

これらはレポートの書き手が参加したテーブルで出た会話の一部ですが、「センス」という曖昧な言葉がテーマである以上、テーブルごとにそれぞれ違った対話が展開されていただろうと思います。

「センスとは何か?」

このお題一つで年齢も職業もバラバラな参加者たちが思い思いに語り合う場面を想像していただければ、その対話の豊かさについてきっと分かっていただけるのでは無いでしょうか。

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さて、猫町倶楽部の読書会では読書会後に同じ会場にて懇親会を開催しています。
同好の士でお酒を飲み、語らい、交友を深めることも読書会の楽しみの一つです。
読書会で真剣に語り合った後の一杯ですからね、それはもう美味しいですよ!

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最近は自分の好きな音楽を尋ねることがプライバシーに踏み込んだ質問なのだそうですが、読書の世界も同様なのではないかと思っています。
好きな作家が違うと会話が成立しないので、私も職場などでは本の話はあまりしないのですが、懇親会の場では課題本から離れておすすめの本や映画、芸術などについて皆で語り合ったりします。
一人一人好きなジャンルは違いますが、皆好きなものについて語る熱量がすごいので、聞いている側も興味が湧いてきて、自分の趣味の幅を広げてもらえます。
これも「センスを良くする」手段の一つかもしれませんね。

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なお、懇親会では食事が落ち着いたところで席替えを行い、テーブル毎にトークテーマを設けて各自好きなテーブルで会話を楽しんでいます。

「2024年上半期ベスト映画」
「浴衣読書会について」
「この夏にやりたいこと」
「フリートーク」

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私は「浴衣読書会について」のテーブルで8月に開催するドレスコードが「浴衣」の読書会について語っていました。
後ほど今年の予定について記載しますが、とても華やかで楽しい会なのでおすすめです。


また、この読書会では「ドレスコード」を取り入れていて、各自思い思いにドレスコードにあったものを身につけて参加してくれています。
今回のテーマは「雨、雨の日」。
あいにくと(?)この日は快晴だったので、皆さんドレスコードに苦労されたようですが、簡単なもので良いのでそれほど難しく捉える必要はありません。けれども、ドレスコードがあると場の雰囲気に統一感が出るので、皆さんとてもオシャレに見えますよ。

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参加者の中から特に素敵な方々には「ベストドレッサー」としてちょっとした賞品をお渡ししています。いつもの賞品に加えて、今回は主催からオリジナルの団扇も。
これを狙うのはなかなか難しいのですけど、これがあるからドレスコードを頑張る気になりますし、続けているうちにオシャレへの感度も上がった気がします。


と、まあこのような感じで、月に1度関西オフライン読書会を開催しています。
課題本によっては読みづらかったり合わないと思うこともあるものですが、それを読書会の場で話すことで意外な発見があったり、周りの参加者に違った視点での気づきを与えることができるので、是非興味が湧いた時は気軽に参加してみてください。
(読んでから参加するか決めよう、と思うと参加締め切りが過ぎちゃってたりするんですよね…)

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今回も楽しい読書会にすることができました。
参加された皆さん、ありがとうございました。この後の二次会までお付き合い頂いた皆さんも、遅くまでありがとうございました。(近くに素敵なバーがありまして、夜遅くまで盛り上がっていたりします。)
このレポートを読んでくれている方で興味を持たれた方がおられましたら、是非一度遊びに来てください。
きっと楽しんでもらえると思いますよ。


次回の読書会の予定は以下のとおりです。

◾️開催日時:2024年7月15日(月・祝)
◾️課題本    :三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)
◾️開催会場:カフェーヌ(大阪:梅田)
◾️ドレスコード:海
◾️タイムテーブル
     15時30分:受付開始
     16時00分:オープニング〜読書会
     17時40分:休憩
     17時50分:トークショー&質疑応答
     18時50分:クロージング
     19時00分:懇親会
     21時00分:終了、解散

次回は著者の三宅香帆さんをゲストにお招きしての読書会となります。
今年話題の本書をテーマに、著者本人も交えての読書会ですので、きっと盛り上がる回になると思います。是非お早めにお申し込みください。


また、その翌月に開催する読書会が先ほどお伝えした「浴衣読書会」となります。

◾️開催日時:2024年8月17日(土)
◾️課題本    :幸田文『きもの』
◾️開催会場:梅小路公園 緑の館(JR山陰本線『梅小路京都西』駅すぐ)
◾️ドレスコード:浴衣


次回の読書会も、8月の読書会も楽しい会になると思いますので、皆さんの参加を心よりお待ちしてます。

文:taisho      サポーター:ジュリア、NOCE