8月1日(日)17:30~、藝術部の読書会が開催されました。
今回の課題本は、柳宗理の『エッセイ』です。

藝術部の読書会は月に3回行っており、うち2回が同じ課題本の時もあれば、毎回異なることもあるのですが、8月は3回とも異なる課題本での開催です。

事前に話を聞いていたら、柳宗悦は知っていたけど柳宗理は初めて知った(※)という声も多くあり、意外と猫町民には馴染みのないジャンルの本だったのかもという印象。
※柳宗悦は民藝運動を起こした思想家、美学者で、柳宗理はその息子で日本のインダストリアルデザインの確立と発展の最大の功労者と言われています。

さて読書会は27名での開催となりました。
5~6名で、ZOOMのホストに振り分けられたブレイクアウトグループに分かれて、各々感想を語りあいます。

猫町倶楽部の読書会は、「課題本の読了」「他の参加者の意見を否定しない」がルールであるので、自由に安心して感想を語れるということが担保されております。


今回の読書会は、各テーブルこんな話で盛り上がったよというところをかいつまんでご紹介。



・宗悦と宗理は微妙に仕事のジャンルが重なっていたがために、偉大な父親を持った宗理はいろいろ苦労したのではないか

・作家が作る作品は生活のなかで問いかけてくるもの、アノニマスな民芸や柳宗理が作るものは暮らしのなかに紛れ込むものではないか。

・懐古主義に陥らず、時代に合った物や使いやすさなどを考慮した上でのデザインを追求していくのが良い。

・安価なメーカーは真似をしているだけで、デザインの意味は考えておらず、老舗と言われる(今回は鯖江の眼鏡)会社は細部まで用途を考えたデザイン(柳宗理がいう用即美)に意味を持たせている。
 安価な製品に流れるのではなく、しっかり考えているメーカーを応援しないと日本の技術が衰えていく、応援することが私たちに出来ることではないか。

・宗悦の妻のかねこさんについて文中では、子育てしなければ芸術家として大成〜、という記述があったが、そこは疑問。ただ、個性的な家族。夫婦喧嘩は独特な印象。

・柳宗悦と比べると、政治・社会への関心が前面に出ていない。政治的関心が前面に出た民芸運動から「ていねいな暮らし」的な没政治の箱庭世界への過渡期?

・戦中世代のせいか、出羽守的なヨーロッパ・アメリカ賛美がやや鼻につく。エッフェル塔についても建設時は「醜い」「場違い」という批判がかなりあったのではないか。

・柳宗理の作った歩道橋のあった市に住んでいる。伝統的な建築物ではないとはいえ、こうしたものを保存できないだろうか?



そのほか、実際に使用されている柳宗理作品を画面上で見せてくれたり、本中「新しい工藝・生きている工藝」に紹介されている商品(亀の子たわしやラミーのペン等)を持ってきて見せてくれる方が多くいて、家にいながらのオンライン読書会ならではだな~という印象でした。


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最後に参加者で集合写真!
お顔を見せたくない方は課題本で隠せるのでご安心くださいね。

感想をお互いにシェアすることで、新たな問いが生まれたり深まったり解決したり。
読書会の魅力はこういったところではないでしょうか。

特に藝術部の課題本は、本だけで収まらないところが、大変なところでもありつつ、世界が大きく広がる魅力的な部分ではないかなと思います。



藝術部のこれからの読書会の予定はこちら。

8月27日(金)柳宗悦『民藝とは何か』


9月3日(金)藤沢周『世阿弥 最後の花』
9月12日(日)世阿弥『風姿花伝』

皆様のご参加をお待ちしております!