前回の長編読書会で聖書を読まれてた方達を横目に、自分には長編は無理かな、難しいかなと思いつつ、数十頁ずつ、皆と同じノルマを一緒にこなす読書会なら私でも読めるかな?と思い、えいっと申込みました。

第1回、無事参加。

一人で読んでいるときは、城に近づいたかと思えば道が曲がってしまい、どうしても辿り着けない村の構造と同じように、思惑どおりの答えが返ってこない村人達に翻弄されるKに滑稽みを感じ、意思表示せず思い込みで行動するからだよと思う反面、神経衰弱のように延々と自問自答し、ときに村人と秀逸なやりとりをするKがどうやって問題を解決していくのかに夢中になっていました。

しかし、読書会でご一緒したテーブルでは、@スズリ さんによる、「この小説は読者のツッコミを待ってるコントだと思う」というポジティブな見方もでて、面白かったです。

私も改めて読んでみて、例えば
①上司のクラムから届いた短い手紙の中には「小官は貴殿の動静に絶えず注意をおこたらない所存」とあり、クラムとのやりとりはすべて伝達係のバルナバスが行うらしい。

②Kはクラムの管理下にあり、そうそう自由にはならないことがわかる。
↓but
③酒場に行き、フリーダの力を借りてドアの覗き穴から見たクラムは、なんとずっと眠っている。
etc.
ツッコミを入れたいところがありました。

しかし、ツッコミを入れてすぐに、自分が新入社員だった職場でいざ仕事が始まってみたら、面接官だった取締役が大部屋の奥のほうのデスクで昼間から居眠りしていて信じられない!と思ったことも思い出しました。

アフタートークで中村うさぎさんも「こちらはずっと監視されてるのに、こちらからあちらは覗き穴から見るしかない」とKとクラムの関係を話されてましたが、カフカはこの小説で組織社会を風刺したのかも知れませんね。(カフカがいたオーストリア=ハンガリー帝国領時のプラハがどんな社会だったのか、不勉強でわからないのですが。すみません)

「作家は意味のないエピソードは書かない」といううさぎさんのお話に、もっといろんな伏線が張られてて後につながっていくのかなと、今後も楽しみな読書会です。

ご一緒いただく方々、ありがとうございました
またよろしくお願いいたします