猫町倶楽部と新宿の歌舞伎町でホストクラブを運営している Smappa!Group のコラボレーションによる、文化系ホストクラブ読書会が9月13日(土)に開催されました。
ゲストは春画ールさん。
春画を比較的廉価で買って手元で楽しんだり、描かれていることを実体験されてみたりと、当時の楽しみ方そのままで味わわれている方です。
そのような愛好家の体感を大切にしつつ、春画の魅力や楽しみ方をひもとく著書やご活動がとても魅力的です♪
今回の企画は、Smappa!Group が新宿歌舞伎町能舞台で開催中の「新宿歌舞伎町春画展」にあわせてのものです。
春画というと、単なる性的描写をイメージする方が多いかもしれません。
実際には、当時の社会や文化、ファッションのような風俗を描く面が大きかったり、はたまた漢詩や和歌をはじめとする古典文学を元ネタとして知的好奇心をくすぐるような物語性が加わっていたり、なによりトップレベルの浮世絵師たちが美意識と技術を思う存分に注ぎ込んだ重要な表現の場であり、しかも、どこかギャグ漫画のようなおかしみの成分が濃ゆかったりと、複雑多様で奥深い世界です。
もちろん、このような良い面ばかりではなくて、当時の社会状況における性行為や女性を巡る負の面も内包しています。
このようなさまざまなものごとを抱えていて、善悪一刀両断のようにはいかないグレーな濃淡の多い世界。だからこそ、さまざまな意見や見方を自由に話せる読書会という場で取り上げる意義が大きいといえるでしょう。
この春画展は、「北斎漫画」の世界一のコレクターである浦上満氏(浦上蒼穹堂代表)が所有する春画コレクションからの出展という展示作品の内容や規模、歌舞伎町でしかも能舞台という開催場所、次々と打たれている関連イベントの評判があいまって、日に日に来場者数がぐんぐん増えています♪
9月から展示内容が一部入れ替わっていて、とくに能舞台の会場は巻物などの大物が入れ替わったために、かなり変わった印象を受けます。
9月末まで開催されていますので、一度ご覧になった方も、これからの方もぜひ♫
読書会の直前の時間には、この春画展の鑑賞イベントが開催されました。
文化系ホストクラブ読書会の初回に、「猫町の読書会もホストクラブもどちらも初めてです」といって参加してくださった天尊(てる)さんが、Smappa!の本店(Hans Axel von Fersen)のホストに転身されるという劇的すぎる展開がありまして、文化系ホストクラブ読書会が生んだ縁を体現している彼が、春画展の会場内を独自の感覚で話しながらご案内してくださるという鑑賞イベントになりました♪
天尊さんによる春画展ツアーは、春画展の会場で毎週木曜日の18時から開催されていて、
予約なしで参加できます。
江戸の粋などを絡めた話が抜群なので、こちらもぜひご体験ください♪
読書会の会場は歌舞伎町にあるホストクラブ「APiTS 」です。
これまで毎回、会場としてお世話になっていまして、お馴染みの場所になってきています。
この文化系ホストクラブ読書会の特徴のひとつとして、猫町倶楽部側から申し込んだ参加者のほかに、Smappa!Groupのホストさんが多く参加してくださっていることがあります。
読書会では、卓ごとに少人数に分かれてお話しいただきます。
ここまで開けっぴろげに語る機会はあまりないような話が、多く交わされていたようです♪
どこもわいわいがやがや♫
当時、みんなで春画を見ている時も、こんな感じだったのかな。
春画ールさんは、すべての卓をまわってくださるのですが、なにやら荷物が多め。
なんと春画の原本や、さらに当時の性具まで持ち込んでくださる熱の入り具合で、これは嬉しい驚きです♪
とくに性具の数々には、皆さん興味津々のよう♫
お話ぶりも、ひたすら春画への愛が詰まって溢れ出てくるようなものばかり。
春画に寄り添う心もちが身に沁みてくるひと時でした。
最後の画像の丸いものは「りんの玉」
金属でできた玉で、鈴と同じようにりんりんという音が鳴ります。
これを女性器の中にいれた状態で交わると、この玉が中で動き回って、女性はあまりの気持ちよさにおかしくなってしまう効能があると言われていたという性具です。
課題本で紹介されていた中で、もっともわけのわからない性具の登場に沸きます♪
その後の質疑応答では、大判の春画のレプリカを使った即席の読み解きまで♪
このレプリカは、卓で話すときの参考にと、ホストさんが持参されたものです。
猫町倶楽部の読書会が大事にしていることの一つに、ドレスコードがあります。
身につけるものなどに自由な発想で取り入れる楽しみです。
今回のドレスコードは「春画をイメージしたファッション」
それぞれの卓でベストドレッサーを選びます。
選ばれたみなさんの春画なお姿いかがでしょう。
ベストドレッサーには、ドレスコード普及委員長からご自作の賞品を贈呈♪
いつも感謝感謝です。
ちなみにこのホストさんの白いジャケットは、春画展のメインビジュアルとなっている喜多川歌麿『願ひの糸ぐち』を刺繍したもの。
これにはびっくり♪
春画展のグッズであるアクリルキーホルダーをピアスに仕立てたり♪
春画と聞いて最も多くの人が思い浮かべそうな「蛸と海女」をスリッポンにプリントしたり♫
そしてドレスコード普及委員長も、「蛸と海女」から発想した衣装♪
蛸がプリントされた素材をつかって自作したワンピース。
毎回こうして素敵な衣装と、ベストドレッサーさんへの賞品を自作してくれています。
すごい熱量で感謝感謝です♪
<今後の関連イベント>
・10/11(土) 近松門左衛門/角田光代『曾根崎心中』
https://nekomachi-club.com/events/2fe68759ef91
ぜひご参加ください♪