※これから「君主論」を読む方に向けています。一部個人解釈も含まれますのでご了承ください。
   
11月の東京オフライン読書会、アウトプット勉強会側の課題本がマキャベリの「君主論」。以前も猫町で課題本になったことがあるそうですが、当時は参加できていなかったので、新しい読書経験のチャンス!と気合が入りました。
実際に読んだり調べたりする中で、難解と言われがちなこと、傾向と対策が見えてきたのでブログにまとめてみます。
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■そもそも「君主論」とは(大意)

16世紀 ルネサンス期イタリアの官僚ニコロ・マキャベリが、失脚したのち再び宰務に着こうとメディチ家に献上した論文。就活プレゼン資料。統治者はどうあるべきかを独自の視点で語ります。
宗教を切り離して政治学について述べており「近代政治学の祖」として読み継がれてきました。
        

■何がそんなに難しいか

◎そもそも読者に向けて書かれていない
最初に少し読んだだけでもわかる、言葉がこちらを向いていない感じ。上記のような経緯があり、あくまでも国家元首に向けた内容であること。そりゃ「なに勝手に読んでるんだ」というところでしょうね。
◎前提知識が多すぎる
マキャベリの生涯も知っておいた方がよい。当たり前のように侵略の歴史や諸国君主が例に出される。人名も長く似たり寄ったり。
◎まあ、500年前の本である
たとえば今の感覚のまま16世紀イタリアにタイムスリップしたとしたら?
常識も当時の世相も大きく異なるし、当時の人の考え方をいきなりは理解できない。

⇒総じて、注記や解説のボリュームがすさまじい

    

■いろいろ種類があるけれど…

F9vcW6fboAAGISA.png 242.18 KB読み継がれる古典ながら、難解さもあってかあらゆる出版社・訳者の本が存在します。
楽しくなってしまい()いろいろな出版社のものを図書館で借りたりして、ひとまず一章読み比べてみました。
   
さらっと全体も見通し「原典に忠実か」「読みやすいか」で二軸図にまとめてみると…。
image.png 253.87 KBそりゃこうなるよねというライン。昔からある岩波文庫版は、難解ながら訳文がほぼマキャベリの通りとのこと。これで読破できたら素晴らしいですね。
対極にあるサンマーク版は、要点が強調されているため圧倒的に読みやすいです。
ただ、その「要点」は本当に自分にとって要点か?と考えてみる必要はありそう。完全に構成に従うことはないですね。
   
わたしは、イベント説明にも使われている中公文庫新版をメインとしつつ、わからない点など細かい補助に、ウェッジやサンマーク出版を併読することにします。
buim4srs.png 194.42 KB    

■どう読む?どんな読書会になる?

※読み方/話法を強制するものではありません
   

◎要点を抑えて読み始めてもいいよね
NHK「100分de名著」のマキャベリ回や、副読本そのほか解説なども参照。岩波版の翻訳者 河島英昭氏の分類説がとても分かりやすかったです。
Principe.png 47.48 KB「君主論」を大分すると四構成。目が滑りそうであれば前半はさらっと読みをして、本題を読んだ後もう一度振り返ってみるとより理解が進むかもしれません。   
◎エッセンスを汲めればOK?
一章あたりは決して長くないため、章ごとにポイントを押さえて読み進めていくと良さそうです。完全理解は努力範囲で、エッセンスを汲んでいく読み方でも。
マキャベリの生涯や歴史的史実、政体のお話も骨子として大事だけれど、それに終始してしまったら読書会という場ではもったいないかもしれない。
◎自分はどの立場か考えてみる
君主≒リーダーだけれど、必要な統治術が書かれているだけではない。リーダーがいるということは部下がいる。あらゆる立場からの人間関係の構築法、交渉術などがノウハウとして活かせるんじゃないか。読書会ではそのあたりの話が中心になりそうです。
   
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■11月18日(日) 東京オフライン読書会
https://nekomachi-club.com/events/230f548161c0
    
サポーターとしての業務もありつつ。完読して「君主論?まあ読んだけど…」と言えるようになろうと思います。読書会でご一緒できる皆さまよろしくお願いします!
    

がんばろう、君主論!

※韻を踏んだつもり