11/1開催の芸術部読書会に参加しました。

一応、今月から芸術部サポの末端に席をおかせていただいているので、初のサポ参加となります。

通信悪くて云々は以前のブログで反省したので、今回は課題本感想を書いていきます。



まず私にとってクラシック音楽はそれほど身近ではないというか楽しみ方が分からない感じです。

オペラは歌とストーリーを追えますが、クラシック音楽は作業のBGMにはいいけどコンサートではどこに意識をむければいいのか分かりません。

そんな遠い距離感のあるクラシック音楽に関する今回の課題本。

ぶっちゃけサポじゃなきゃ読了できなかったと思います。

何はともあれ専門用語が多い。

短調ってシャープか何かつくやつで曲が暗くなるんだっけ?どうだっけ?ぐらいの知識しかない私にとって文字は追えても内容がさっぱり入ってこない。

それでもチョイチョイ出て来るベートーベンのチャレンジ精神とか誰かに向けて曲を書いたという部分に救われました。

あまりにも内容が入ってこなかったので、文字ばかりだから分からないのかなと思い自分が楽しめた部分の曲を聞いてみることに。

ちなみに聞いてみたのはベートーベンが弟子の伯爵令嬢バベットに書いたという曲「第4番 Op7」。

曲を聞いて文字を追ってみると《 第1楽章の同音連打に熱い魂を感じる(p 38) 》の部分が理解できた気がします。

ただそこから《「第4番」は主調の変ホ長調から短3度下のハ長調になっていますから、前作と相対的な関係になっていますね。3度関係ですが、どちらも近親調ではないわけで、やはりこの時代 としては特別な調性感とハーモニーに対するセンスをもっていた人だったことがわかります。》とつながり、「うん。わからん」と首を捻ることになりました。


猫町にお世話になり始めてから3年程になりますが、今まで興味が持てない本は手にとらなかったので、ここまで本の内容が頭に入ってこないのは初めてで、感想も「よく分からない」以外あまり思い浮かびませんでした。

こんな状態で読書会に出ても楽しめないんじゃないかとドキドキしつつ参加した当日。

結果を先に言えば思った以上というか、いつも以上に楽しかったです。



音楽を専門的に学んだ事のある方や、クラシックに詳しくはないけど音楽がとても好きな方などがいらっしゃって様々な意見を聞くことができました。

中でも私を一番悩ませた短調やら長調のお話。

これは調性というものらしく、調性が変わると曲の性格が変わるようで、私がふんわり覚えていた楽譜にシャープをつけるやつのことみたいです。

音楽を専門に学んだことのある方が「それぞれの調で主要な和音があって、その和音が共通するような調へはグラデーションのように違和感がなく移ることができる。でもベートーベンは共通の和音が少ない調へと変えてしまえる」と説明をしてくださりました。

このお話を聞いて先ほどあげた《 この時代 としては特別な調性感とハーモニーに対するセンスをもっていた人だったことがわかります。》の意味がよく分かりました。

これが理解できただけでも参加してホント良かったです。


その他の話題で興味深かったのがP90《 枠構造 》のお話。

枠構造はドイツ語文法における構造の一つのようで、ドイツ語は主語と動詞の間にいろんなものを挟んでいく文法だそうです。

課題本にもなった『ヴェニスに死す』の冒頭が例に挙がりましたが、主語である"アッシェンバッハ"が出て来てから、主語にかかる動詞である"散歩に出かけた。" までの間にかなり長い文章が続いています(手持ちの本では間に5行ありました)。

それと同じようにベートーベンが作曲したものにも第1楽章に出てきたものが、途中にいろんなものが挟まって最後に同じ主題が出てきたりするんだそうです。

そのドイツ語繋がりで刑法の話題が出たのですが、参加者の方が「楽譜を見ながら機械の分解のように共通項や応用などを見つけていく」と仰ってたのが、事例などから条文への適用を考えるために要件事実を抜き出だすのと似てるなと勝手に思っていました。



分からなくても読書会に出れば楽しいよ!とは何度も聞いていたのですが、確かに分からないからこそ他の方の意見で得るものが多いので、今回はそれをかなり実感できました。



読書会とは関係ありませんが、ちょうどこれを書き始めた11/3の朝、NHK『名曲アルバム』の曲がちょうどベートーベンで、《 ヴァイオリンとピアノが完全に対等》と評されていた『ヴァイオリン・ソナタ第9番《クロイツェル》』でした。

ピアノと弦楽器とが相まって奏でられる感じが好みだったので、Primeで《 クロイツェル 》を探してずっとリピート再生しながらこの感想を書きました。

ちなみに『名曲アルバム』は曲とともに簡単な解説をしてくれる番組でして、その中でトルストイ著の同名小説があると知って少し気になっています。



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