2023/06/22の読書会と、話し足りん会でご一緒した皆様、ありがとうございました。写真はホテルの庭のロケ地だったニンフェンブルク宮殿(ミュンヘン)です。バイエルン選帝侯が避暑に使うために、運河を何本も引き込んで滝や庭園を造った広大な城です。映画では裕福な主人公たちが避暑に訪れるホテルでしたが、現代は観光客が大勢訪れているようです。
https://goo.gl/maps/1BvEL6ByRyj3va7K6 

この映画は黒澤明の羅生門にインスパイアされたと言われており、人によって記憶が違うことがテーマでした。

「最初、迷うことはありえないと思えた」


最後に出てくるセリフです。映画に出てくるホテルの廊下に同じような扉や柱が並んで迷子になってしまうように、同じセリフ、同じ音楽、同じシーンが何度も出てくるので、監督の思惑どおりに記憶の迷子にさせられた参加者が多かったようです。

私もラストシーンにたどり着くまでに何度もラリホーの呪文をくらって意識が飛んだので、期限切れで再レンタルしてやっとゴールできました。

無事にFINにたどり着いた、わずかな勇者だけが読書会に参加していたのですが、勇者たちの記憶はバラバラで、記憶が違えば当然解釈もバラバラでした。登場人物が生きているのか死んでいるのかの解釈も一致しません。

一年後に「去年猫町倶楽部で」お会いしましたよね?、こんな話をしましたよね?、とか言われても、きっとお互いの記憶を一致させられない自信があります。それでも私たちは頼りない記憶に頼っていないと世界を理解できません。

ネットを漁ってみても曖昧な記述が多いので、いつか自分の解釈をまとめたくなりました。特に、後にマリエンバートドレスと呼ばれたシャネルの衣装の意味についても、もう少し考えてみたいです。