油断すると間違える著者名


「最近はアンナハーレントの『人間の条件』を読んでるんですよー」

「ハンナアーレントでは?」

「あっ!///(恥)」

こんなミスをしてしまう人が、世界に100人くらいいてもいいはず。

(ハーレントだと違和感があるからアーレントだな!と覚えてます) 

読むきっかけと一度目の挫折


全然関係なさそうな本と本が実は繋がっている、ネットワークのようなものを見つけるのが好きです。
直接的な引用も好きですが、これに気づいたのは自分だけでは!?という思いもよらない本と本の繋がりを見出した時、その直感めいたものがあっているか、過去に読んだ本の該当箇所を探しに行く。その作業が、過去の偉人と自分が残した手がかりを、今の自分が手繰り寄せているようでワクワクします。

そんな私ですが、読書を定期的にしている中で昨年あたりからやたらアーレントの話が出てきました。

新書や入門書である程度哲学系の本にも慣れているし(勘違い)、本書もなんとか読めるレベルでしょー!と、本屋へ向かったのが大体3ヶ月前。

文庫本(講談社学術文庫)の人間の条件を立ち読みして、いけそうなら買ってみるかー、と思った、、、

がっ!!読めない、、、!

今まで読んだ入門書って、読み手に相当読みやすいよう配慮されて書いてもらっていたんだな、

そう感じるくらいには文章が濃厚。

もっとはっきり、自分の未熟さを棚に上げて言うとわかりにくい。

こりゃ太刀打ち出来なさそうね、、、

しかも2,400円(税別)もするのか、、文庫本の値段じゃないよ!

と、言い訳めいた捨て台詞を残してこの日は買わずに退散。

これが初見の感想でした。

そんな中、猫町.読書会で、本書を章区切り、6回に分けて開催との情報をキャッチ。しかも最近入門書を書かれた戸谷(とや)先生が解説に来てくださるそう。しかもしかも近場の関西で!

「こんな骨太な本、正直そんなにオフラインでは申込み来ないんじゃない?参加するかゆっくり考えよー」という大変失礼な予想を裏切り、見た時には本当に残り席は極少数で、慌てて申し込み。ギリギリセーフ。 

二度目の挫折と参加の準備


前回捨て台詞を残した本屋でいそいそと本書を購入。
(本もきっとどの面下げて来たんだこいつは、と思った事でしょう)

前準備で、戸谷先生の解説本も購入し、ついでにyoutubeで戸谷先生が解説インタビューに出演されていた動画も一通り目を通す。

なるほどね、アーレントは人間の条件を3つに分けてて、それが労働、仕事、行為と。

それぞれの意味も何となく把握。うんうん、OKOK。(OKではない)

今回の課題範囲である1章のページ数は、他の章と比較して少なめ。

これは、いけるでしょ!リベンジ!

が、、、読めない!!

概要を把握しているはずなのに何故、、、

文字が滑るというか、普段読んでいる文体と違っていてゆっくり読まないときつい、何を言おうとしているかわからない。何なんだこれは。

このままでは感想も言えないので騙し騙しプロローグと第一章の全体像と、読んだ中で発見があった、不死と永遠の差の部分を感想として携えて本番に挑む。

※ここまでで、やたらと準備頑張ってるなと思った方もいらっしゃるかもしれません。

実は行く前の私は、オフラインの参加者は哲学に明るい猛者揃いで、当日は非常に難解な議論が巻き起こる可能性もあるなぁと思ってかなり警戒して感想を用意してました。

あとからもでてきますが、3テーブルどこも和気藹々と、話しやすい雰囲気でしたので完全に杞憂でした。。 

読書会の様子


まずは、猫町.運営さんによるオープニング。

安心したのは、司会の方から相手の意見を否定しないというルールを設けている、と説明があったことです。

これがめちゃくちゃありがたい。特に今回は、せっかく本を読んで集まって、誤読だ!いやいやあってますよ!!みたいな話はしたくないので、運営側からそういったルールを示して頂いて、ホッとしました。

その後は戸谷先生による解説。解説の中身もわかりやすかったですが、1番沁みたのが冒頭の人間の条件を読むにあたっての心構え、付き合い方を教えて頂いたところです。(以下は私のメモしたことからの解釈)

・全ての文章を理解するのは研究者でも無理なので、全てを理解しようとしなくて良い
・本書が評価されている点は「概念化の鮮やかさ」にある
・この本を読めたと言えるのは、書かれている文章を覚えている事ではない。日常生活の出来事をアーレントの概念体系の中でどこに位置づけられ、自分の中で出来事の意味を見出せる事。

特に最後の項目。

これは、この本に限らず全ての本で一旦読めたと言える要素では?

前々から何をもって読んだと言えるのかは、ことあるごとに考えていたので、その一つの答えを拾えたのはありがたい。

(他にも、戸谷先生の解説でたくさんメモした事がありますが、あんまり書きすぎるとネタバレが過ぎるので割愛します)

その後は参加者による感想会を1時間ほど。

1テーブル6名ほどで、第一章の内容までの感想を語り合いました。

本書は多くの訳がでているので、6名でも持ってこられている本がバラバラでした。人によっては既にカバーがボロボロになるまで読み込まれていて、多くの方が読んでいる古典、名著なんだなぁと改めて感じました。

内容は最初難しさについて皆で共有しながら進み、途中からAIとの関係や、アーレントの人生から、同調圧力に屈しない人間性についても言及していました。 

1回目終了後の感想


感想会を通じてより思ったのは、多分この本はアーレントの定義している言葉通り読まなきゃいけないのだけど、それを普段読書をしている自分のクセというかテクニックが足を引っ張っているのではないか、という事です。

普段は、書き方に違和感があっても、こちらが独自の解釈をしながら読み進められる。多少誤読でもいいじゃないの精神で。

本書にこれをあてはめると、何を言ってるのか本当にわからなくなる。多少の誤読どころか訳が分からず誤読もできない。

労働・仕事・行為もだけど、自然とか世界とかも、アーレント独自の定義がある。

定義を自分の解釈ではなくアーレントの解釈で理解しないと話がつながってこない。

だから読めば読むほど1人で読了はきつい。

先ほど書いた文字が滑ると思ったのはきっとこれが原因。

けれども、この読書会で、
・一通り読んだ体験をもつ
・この体験をした人達と、感想を共有する
・更に専門家の方による解説がきける

これらを一気にできるのが、この読書会の有難い事だなぁと改めて思いました。参加して良かった。

その後、復習も兼ねて第一章を再読したところ、前よりも何書いているかわかる!少なくとも解釈できる!となったので嬉しかったです。

第二回は、第一回より倍以上のページがあるので、今からまたゆっくり読んでいきます💪

また難しくなりそうー!だけど、貴重な読書体験になっていて、それを経ての読書会をまた楽しみにしています!

それではまた。