皆様、こんにちは!
猫町. U35 BOOK CLUBの運営ボランティアをしている葛城です。

9月27日、夏目漱石『こころ』が課題本の読書会を開催しました。
(今回はOSHIROではない会議スペースで行いました)

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今回は12名での開催。高校の国語の授業で一部を読んだという方(私もでした!)や、再読の方、今回初めて通読した方、夏目漱石の他作品は読んだことがあるといった、さまざまな読書歴の方が集まりました。学生時代には分からなかった部分が、大人になって読むとまったく違って見えるといった声も印象的でした。

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話題の中心になったのは、やはりKの自死についてです。
Kはなぜ死を選んだのか。恋愛において先生に出し抜かれたこと、恋と自身の理想との間で引き裂かれたこと、孤独、自分自身への失望など、さまざまな理由を考えることはできますが、その「本当の理由」を他人が知ることはできません。
そして、Kの死を「自分のせいだ」と考え続ける先生の罪悪感についても話が広がりました。
先生はKを理解していたのか。親友だった二人は、本当の意味では分かり合えていなかったのではないか。先生が抱き続ける罪悪感には、友情や後悔だけでなく、エゴや自己嫌悪も含まれていて、主観的な描写から見るに、先生の認知は歪んでいたのではないかという意見や、先生の身勝手さや弱さに触れる感想を抱いた人も居ました。

一方で、先生から長い遺書を託された「私」についても、「なぜこれほど先生に惹かれたのだろう」という疑問が出ました。父親の死を前にしながら先生のもとへ向かう「私」にとって、先生はある意味で「精神的な父」だったのではないか、という読みもありました。そして、叔父に裏切られた先生がKを裏切り、その後自死を選んだ先生の遺書を公開することで、ある種の裏切りを見せる「私」などといった登場人物の対比、地方と東京といった対比、先生と「私」の出会いから、最後に先生の遺書というスタイルで描かれる構造の面白さにも目を向ける人が多かったです。

また、男性たちの内面が濃密に描かれる一方で、お嬢さん――静の視点がほとんど描かれないことも話題になりました。先生と静は本当はどんな夫婦だったのか。静はKや先生に対してどんな思いを抱いていたのか。策略家だったのか、純白だったのか。静はKの死についてどこまで知っていたのか。そして先生の死後、静はどう生きたのか。物語が先生の遺書で終わってしまうからこそ、読者の想像を強く掻き立てられます。「先生が死んだあと、一人残される静がいちばんかわいそうなのでは」という意見もありました。
さらに終盤の「明治の精神」という言葉から、明治天皇や乃木希典の死、当時の人々にとっての「殉死」、個人的な死と社会的・時代的な死についても議論しました。


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高校の教科書では一部分だけを読んだ人も多い作品ですが、社会に出てから読み返すと、裏切りや恋愛、罪悪感だけではなく、先生の人間的な弱さやKの不器用さ、「私」の危うさなど、学生時代とは違うところが目に入ってきます。
100年以上前の小説なのにもかかわらず、恋愛、友情、嫉妬、自己嫌悪、理想と現実、孤独、裏切りや罪悪感、理解し合うことの難しさといったテーマは、驚くほど現代的でした。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

今後のU35 読書会の予定は以下の通りです。

10月25日(日)15:00 〜 16:55    永井玲衣『水中の哲学者たち』
https://nekomachi-club.com/events/9ad9e49f5f89

11月22日(日)15:00 〜 16:55    太宰治『人間失格』
https://nekomachi-club.com/events/2718e032cb69

私は人間失格の読書会に参加します。
『こころ』と『人間失格』は、日本の文庫本において、歴代トップを競り合っている作品だそうです…!

ぜひご参加ください!お待ちしております!